東京で働くグロースハッカーのブログ

東京で働く、グロースハッカーによるマーケティングに関する話がメインのブログ。

Acquisition(集客)のレポーティングと改善施策

グロースハッカーにとってはもうお馴染みになってきた, AARRR モデルにおける Acquisition(集客) をどのようなレポートにまとめるかと, そのレポートをもとにどのような改善施策を打つかについてまとめてみます.

Acquisition(集客)とは

様々なチャネルからユーザーが訪問することである. 一般的な例としては, 「広告」であったり「Web検索」などになります.

レポーティングの際には, どういった経路で 流入してきたユーザーであるか, が分かるようにしておくといいかと思います. 経路として思いつく限りに出してみると,

  • 自然検索
  • Web広告(リスティング広告, ディスプレイ広告, etc)
  • ソーシャル・メディア
  • 被リンク
  • メルマガ
  • マスメディア

あたりになるかと思います.

レポーティング

レポーティングするときには, どういった経路で Acquisitionしてきたかが, すぐに見れるようにしておくといいでしょう.

上で挙げたセグメントでなく, さらに細かく分けてみてもいいかもしれません. 具体的には, 自然検索でも ブランドワード非ブランドワード に分けて見てもいいですし, 広告系であれば, キャンペーン単位 に分けることができます. このあたりは, レポーティングをしたい対象のトラフィック量に応じて, 都度最適なセグメントを見つけることになるでしょう.

セグメントを定義するときに, 細かく分けることは重要ですが, 実際に改善施策を打つときに, その単位で施策が打てるようなセグメント設計であったり, 他の同一階層のセグメントと比較ができるようなセグメント設計をしておくといいと思います.

これらを同じセグメントで, 少なくても直近3ヶ月分(または半年間の3ヶ月移動平均など)のデータを見ながら, 落ち込んでいるセグメントや, 上昇傾向にあるセグメントを見つけ出し, 改善施策を立案することになります.

改善施策

上記で挙げた, 「自然検索」「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「ソーシャル・メディア」「被リンク」「メルマガ」「マスメディア」といった分類で改善施策の一例を考えていきます.

自然検索

みなさんご存知の SEO による改善施策がメインとなります.

検索順位の上位表示については, Googleの ハミングバード などにより, 小手先のテクニックによるSEOが難しくなった今, 地道なコンテンツ制作が必要不可欠になってきます. 更に追い打ちをかけるように, Not Provided 化の影響で流入時の検索キーワードが取得しにくくなっています. これはGoogle検索だけでなく, 近い将来Yahoo検索においても実施されることが発表済みです.

また, SEOというと, 検索順位の上位表示のことと思ってしまう方も多いと思いますが, それ以外にもできることがあります. それは, 以前の記事(SEO以外で検索流入を増やすたった1つの方法)です. この記事にあるように, TD(タイトル & ディスクリプション)を書き換えていくことで検索結果のCTR改善に繋がり, 自然検索での流入を増やすことにつなげられます.

Web広告(リスティング広告, ディスプレイ広告, etc)

Web広告経由でのAcquisitionを増やすためにできることは, いろいろ考えられるのですが, 現時点の出稿状況を分析してみると, ボトムネックになっている部分は1〜2個に絞られます.

改善ポイントとしては,

  • ターゲット選定
  • 単価設定
  • 予算設定
  • 広告のTD(タイトル & ディスクリプション)

が挙げられます. ターゲット選定には, リスティング広告における 出稿キーワードの選定地域/言語 であったり, ディスプレイ広告における 出稿キーワードの選定 , プレースメント選定 , リマーケティング条件 などが挙げられます.

ただし, Web広告に関してはActivation以降に繋げられないユーザーを獲得しても無駄になってしまうので, Acquisitionの指標だけでなく, 他の指標もウォッチしながらバランスよく進める必要があります.

ソーシャル・メディア

口コミによる集客は成果が出るときは爆発的に伸びます. しかし口コミを発生させるためには, プロダクトそのものの質が重要なので, 云わゆる PMF(プロダクト・マーケット・フィット) に達していないプロダクトであれば, PMFに達するためのプロダクトの改善に力を入れたほうがいいと思われます. ここでは, プロダクトの改善はひと通り済んでいる状態での話をします.

現在, 日本でメジャーなソーシャル・メディアといえば,

  • Facebook
  • Twitter
  • Google+
  • LINE
  • はてな

などがあります. これらの大規模なソーシャル・メディア以外にも, プロダクトの分野に特化したソーシャル・メディアがあれば, そちらをターゲットにするのもいいかと思います.

被リンク

SEO対策のための被リンクは無意味なものになってしまったのですが, Webへの集客のための被リンクという視点で立てば, 被リンクはまだまだ有用です. かといっても, リンク構築サービスのような怪しいサービスを利用してまで行う価値はありません. あくまでも自然に増えてくるのを待ちましょう. 運営しているWebサイトのジャンルによっては, 相互リンク のようなものを増やす活動を行うのはありかもしれません(ポータルサイトであれば, 相互リンクを進めるのはいい方法かと思います). ただし, 闇雲に増やすのではなく, 自サイトと関連するWebサイトの管理者に相互リンクしてもらうようにするのが良さそうです. 念のため nofollow にしてもらうのも忘れずに.

メルマガ

メルマガの場合は, 送付先対象によってはAcquisition(集客)ではなく, Retention(継続化)に関わってくる部分もあるかと思います. Acquisition(集客)のためのメルマガという意味で見ると, 自分が保有するリストに対して送付する, というよりは外部のメディアが保有するユーザーリストに対して, 広告のようなイメージで実施することになります. レポーティング時には,

  • どのようなリストに対して送ったか
  • どういう訴求点のコンテンツを送ったか
  • メルマガを送付した日にち(月初, 月中, 月末)や曜日, 時間帯

あたりを軸として,

  • メールの開封率
  • メール本文のリンク・クリック率
  • サイト内コンバージョン

といった指標の推移が分かるようにするといいでしょう. その上で, 特定のリストに対しては成果とコストが見合わなければ, そのリストを停止したり, コンテンツの訴求点や送信するタイミングを最適化することにより, Acquisition(集客)増加のための施策が実施できます.

マスメディア

Webの世界はどんどん進化していますが, どれだけ進化したとしても, Webをほとんど見ないユーザーにリーチさせるのは難しいです. 高齢者にリーチさせる必要があるサービスであれば, もしかしたらWeb上での施策を行うよりも, オフライン施策に投じたほうがいいかもしれません. 具体的なメディアとしては 4マス と呼ばれている「テレビ」「雑誌」「新聞」「ラジオ」あたりでしょうか. ただし, どれも施策実施にかかるコストが大きいので, それに見合う効果が得られるか慎重に判断する必要があります.

まとめ

Acquisition(集客)のレポートとしては以上となります. 実際にやってみると, Acquisition(集客)を増やすだけであれば難しいことは何もありません. 本質はAARRRの各ステップの数値を向上させる全体の最適化となります. Acquisition(集客)レポートだけでなく, 常に全体を見て施策実施を心がけましょう.