東京で働くグロースハッカーのブログ

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Activation(活性化)のレポーティングと改善施策

グロースハッカーにとってはもうお馴染みになってきた, AARRR モデルにおける Activation(活性化) をどのようなレポートにまとめるかと, そのレポートをもとにどのような改善施策を打つかについてまとめてみます.

Activation(活性化)とは

活性化とは, 初利用のユーザーがよい体験をすることです. 例えばゲームの場合, チュートリアルをクリアするなどしてそのゲームの楽しさを知ってもらうための施策となります. FacebookやTwitterのようなソーシャル性の強いアプリケーションであれば, 最初のサービス利用開始の時点で一定数以上の「フォロー」や「友達申請」または「いいね!」をもらうことなどになるかと思います. FacebookやTwitterでよく言われているのは, 最初の登録後の1時間でxx人のフォロー(または友達申請)ができるか否かでその後の継続率が大きく変わってしまうらしいです.

Activationの分析

Activationについて議論するときは, まずユーザーがどういった経路であなたのウェブ・サービス(やアプリ)に訪れたのかを見る必要があります. 検索エンジンから来たのか, 広告を見てきたのか, それとも何らかのソーシャル・メディア上での盛り上がりを見てきたのかなどのトラフィックです. また, 検索エンジンにしても, 最初から指名検索(ブランドワード検索)だったのか比較検索(非ブランドワード検索)だったのかなどで, Activationする可能性は大きく変わります. そういった流入元を見ずにActivation率が下がったと結論づけてしまうと, 間違った判断をしてしまいます. さらに, Activationの具体的な定義によっては, ランディング・ページやActivationまでの導線設計の良し悪しもActivation率に関わってくるので注意してみましょう.

ここまでをまとめるとActivationを決定づける大きな要因としては,

  • 流入元
  • ランディング・ページやActivationまでの導線設計

の2つが挙げられます. なので, 改善施策を考える際は, 同じ流入元でランディング・ページを分けた時 のActivationを見てみたり, 違う流入元だがランディング・ページが同じ時 のActivation, 同じ流入元でランディング・ページも同じだがActivationまでの導線設計を変えてみたパターン などを見てみるといいでしょう. このような軸でA/Bテストを実施していき, より良い流入元やランディング・ページを探していくことが必要になってきます.

レポーティング

流入元の分類

これはそのプロダクトにおいて, どういったマーケティング施策を行っているかによって, 分類する軸が変わってきます. ここでは, 一般的なケースをもとに分類について考えてみましょう.

  • 検索エンジン
    • 指名検索(ブランドワード)
    • 比較検索(非ブランドワード)
  • 広告
    • 検索広告
      • 各広告キャンペーン
        • 各広告クリエイティブ
    • ディスプレイ広告
      • 各広告キャンペーン
        • 各広告クリエイティブ
  • ソーシャル・メディア
    • Facebook
    • Twitter
    • etc
  • メルマガ
    • 外部メルマガサービス
    • 自社メルマガ
  • オウンドメディア

簡単に挙げてみただけでもこれだけの流入元が存在します. やっているサービスによってはここに挙げていない流入元も存在するかと思いますが, それらを適切な単位でグループ化する必要があります. グループ化する際には, 同じレベルのグループ同士で比較が可能であるかを考えておく必要があります. また, 全く属性が異なるもの同士を同じグループにまとめてしまうと, そのグループでまとめることに価値がなくなってしまうので, 注意が必要です.

レポート

レポート上では, 行っているマーケティング施策での流入情報とランディング・ページの2軸マトリックスで, AcquisitionからActivationの率を追えるレポートを作成すると効果的でしょう. 上で挙げた流入元の分類は, 一部についてはかなり細かく掲載していますが, ある程度の流入量がないとレポートに耐えうるデータにならないので, 必要なレベルでサマリーした数字を使えばいいと思います.

改善施策

とにかくA/Bテストを実施することが必要になってくると思われます. 検索広告で言えば, いろいろなキーワードをいったん登録しておいて, その中でActivation率を見ながら率が著しく低いものからランディング・ページを変えていきます. いくつかのランディング・ページでトライしてみても数値が改善されないようでしたら, そのキーワードはActivationしにくいキーワードと判断することになります.

Activationをどう定義するかにもよりますが, Activationするための導線設計が甘い可能性があります. FacebookやtwitterのようなサービスにおけるActivationは, サービス利用開始直後のフォロー数や友達の数を一定数以上にする になるかと思います. ActivationのためにFacebookやtwitterは, 機械学習やグラフ理論, GmailなどのAPIなどあらゆる手を使って手助けをしてくれます. 自分のサービスにおいて, Activationしやすい導線設計についてさらに深く考えてみるのもいいかもしれません.