東京で働くグロースハッカーのブログ

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Retention(継続化)のレポーティングと改善施策

グロースハッカーにとってはもうお馴染みになってきた, AARRR モデルにおける Retention(継続化) をどのようなレポートにまとめるかと, そのレポートをもとにどのような改善施策を打つかについてまとめてみます.

Retention(継続化)とは

Retention(継続化)とは, ユーザーの継続率や再訪率 のことを言います. Acquisitionし, Activateさせたユーザーであっても, その後継続してあなたのサービスを使っていただかなければグロースハックとは言えません.

レポーティング

視点は2つあると思っています. 1つ目は 掴んだユーザーをどれだけ継続させることができているか , 2つ目は 過去に離れていってしまったユーザーのうちどのくらい戻ってきているか です. それぞれレポートに起こすときに必要になる項目を挙げてみます.

掴んだユーザーはどれだけ継続している?

自然検索や広告, ソーシャルなど様々なメディアからユーザーを獲得しています. そしてそれぞれのユーザー獲得には何らかのコストが発生しています. Retentionが著しく低いメディアに多くのコストを払っているようであれば, 何らかの対策が必要になります.

またサービスによっては, メディアがRetentionするか否かの影響を与えている度合いは少ないかもしれません. メディア別の継続化率を出してみた上で, 大きな差がないようであればメディア別のレポートを出す意味はありません. その場合は改善施策別にレポートを作成し, 効果のあった施策/効果のなかった施策をあぶり出していくようにするといいでしょう.

休眠ユーザーは戻ってきているか?

とても重要な視点です. どのようなサービスであっても休眠ユーザーは多数存在します. 7つのメジャーなSNSのアクティブ率を比較してみた(LINE, Facebook, Twitterなど) にもあるようにmixiやtwitterのMAUは65%〜70%程度です. つまり30%ほどのユーザーが休眠しています. このような休眠ユーザーは一度サービスを利用しているユーザーなので, 何らかのきっかけがあればサービスに再度復帰する可能性が非常に高いと言えます. また, 一度ユーザー登録を行っている, という特性からそれらのユーザーにアプローチするためにメルマガ, ダイレクトメール, リマーケティング広告, Push通知など様々な方法を低コストで行うことができます.

このようなことから, 休眠ユーザーがサービスに復帰したチャネル(, 施策)の情報をレポートにも含めるといいかと思います. 何らかの施策を行った場合はその施策を行ったボリュームと, その施策にかかった費用, その施策により復帰したユーザー数をレポートにまとめていくことで, より良いレポートができあがると思います.

改善施策

ゲーミフィケーション

ゲーミフィケーションの有名な事例としては, Foursquareがよく挙げられます. Foursquare上でのアクションの内容や回数によって, 様々なバッジが付与されます. Fouraquareはこのバッジ付与のタイミングが絶妙なのか, ユーザーの継続率に大きく貢献していると言われています.

インセンティブ

ユーザーのサービス利用という行為に対してインセンティブを支払います. よくある例としては, ゲームなどでアイテムを付与したり, ログイン時にサービス内で利用可能なポイントを付与するなどが挙げられます.

また, インセンティブの内容に不確実性を取り入れることで, どうなるか分からないというドキドキ感をユーザーに与えることも可能です.

Hooked

最近翻訳書が出版された Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール でお馴染みのHookedという心理学をベースとしたRetentionのためのフレームワークです.

Hookedは, トリガー, アクション, リワード, インベストメントという4つのステップを何度も繰り返すことにより, 継続化し, 最終的にはそのサービスを日常の習慣の中に取り入れる, ことを目的としています.

Push通知 / Email(メルマガ) / リマーケティング広告

長い間サービスを使わなくなってしまったユーザーに対して, 呼び戻すための施策としても有効です. それ以外にも, 新しくサービスを使い始めた新規ユーザーに対して, 初期のうちに繰り返しPush通知やメルマガ, リマーケティング広告を表示することで, 刷り込みを行いそのサービスを覚えてもらうための施策としても使えます. ただし, スマホへのPUSH通知などは, やり過ぎてしまうと逆効果で, アプリのアンインストールにも繋がってしまいかねないので注意が必要です.

まとめ

AARRRという考え方が徐々に広まってきており, Retentionの重要性を認識し始めた人も多いかと思います. 意義のあるデータをトラッキングし続け, 効果を最大限にできる施策を探していくといいでしょう.

Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール

Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール

  • 作者: ニール・イヤール,ライアン・フーバー,Hooked翻訳チーム,金山裕樹,高橋雄介,山田案稜,TNB編集部
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2014/05/23
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